そんなわけで(前回参照←手抜きです)、
友だち夫婦と、その子どもに会いにいってきました。
まずはパパを紹介します。
どーん!!
仙台(ex.THE VESPERS)。
22歳である(マジで)。
どんだけ
老けて風格漂わせてるねん、とつっこみたくなったやつぁ手を挙げろ。
十何代つづく老舗手ぬぐい屋さんの店長という立場にくわえ、
吸ってるたばこがエコーということでよりいっそう風格増してるけれど
これはきっとお小遣いがすくないのでそうなっているのでしょう。
結婚するまえは若者っぽい銘柄だったとおもう。たしか。
まあ、かくいうぼくもいちおう24歳で株式会社の
営業係長やってましたけどね。
と、年下の店長に対して負け惜しみをつぶやく。
さてさて。
次は、そんな財布のひもを握っているママの紹介を…とおもいましたが、
あんまり顔出ししてないひとにつき、あとで怒られそうなのでやめときます。
想像しといてください。
動物にたとえると
カモノハシに似ている、とってもチャーミングな女性です。
想像しといてください。そしてまあ、いわば真打ちです。

2012年3月14日うまれ、とれたてぴちぴち、じゃなかった、
まさに現世にご光来されたばかりの「隼人」。
この子がねー、ほんとにかわいくてねー、と、詩人はおもわず近所のおばちゃん化するのだった。
話をこの日(というか、きのう)のはじまりにもどすと、
はじまりというのがすでに夜なのだが、仙台とぼくは中書島で落ち合い、
京阪電車のふたり座席にお互いひょろ長い身体を押し込みつつ、まずは乾杯である。
われわれは酒敵である。それも極上の酒敵同士である。
さらには、まあ、語弊をおそれずいえば、つねにアルコールに飢えている。
そんななか仕事のため20時半までしらふでいた仙台と、
彼に対して勝手に義理立てのうえ20時半までしらふでいた詩人が、
「おうちに帰ったらビールのもうね」などというかわいらしい考えをもっているわけがなく、
伏見桃山のフレスコで8本買い込んだビールのプルタブをさっそく開けるのだった。
樟葉をすぎるころには当然1本目は空いており、
京橋についたならば2本目がなくなっている。
万事がそのような調子であった。
仙台家に到着すると、
嫁であり母である唯ちゃんがおつまみをつくって待ってくれていた。
「士別れて三日なれば刮目して相待すべし」とはいうが、これにはびっくりである。
われわれはよく独身時代の仙台家にて3人でのんだりしたものだったが、
ついぞ彼女が料理をするところを見たことがない。
(これはまあ、男子ふたりが異常なほど料理をつくりたがるせいもあるだろうけど)
出汁巻き、こんにゃくの炊いたん、ちくわきゅうり。
どれもたいへんおいしゅうございました。
そして、ついに彼らの息子の文字どおり謦咳に親炙するを得、
詩人はまんぞくしたのである。
隼人は1日の半分以上をねむってすごしているということで、
逆に昼とか夜とかいう時間はあんまり関係ないんですね。
なので、われわれが帰宅したのは21時半だったけど、
まだ這い這いなどはできないなりに、
それでもずいぶんとかまってくれました。
かまってもらっているうちになんだか仲良くなれた気がして、
「お酒とたばこと不純異性交遊は13歳までしてはだめだよ」と教えようとしたが
両親の手前をはばかってやめておいた。やめておいてよかった。
ひとしきり隼人とあそんだ(あそんでもらった)あとで、
男たちは本格的に腰をすえての晩酌となる。
このころにはビールはすでに滅びており、焼酎だね。
やはりわれわれが差し向かうと、なかなかな量のお酒が供養されます。
日々、blogのネタにと写真を撮りがちなぼくがここから先の写真を一枚も撮っていない、
ということでもってご賢察ねがいたい。
いい酒でした。
でもなにしゃべったかぜんぜんおぼえてない。唯ちゃんがつくったつまみがあらかた消費されてきたころ、
あれはたぶん24時くらいか、詩人が口をひらく。
「ね、冷蔵庫にさ」
仙台、すぐさま引き取る。
「ありますよ。なんか」
そう。
われわれの趣味は酔っぱらっての料理である。
そのためにはなにかがある冷蔵庫が不可欠なのだ。
もちろん、なかったらなかったでつくるんですけどね。
野菜、香辛料、調味料といった部分は心配ご無用。
なんてったって仙台(なんてったってアイドル、風に読んでくださいね)。
にんにくやら、出汁用の昆布やら、そういったたぐいは切らしたことがない。
しかもこの日は心強い味方がいた。
事前に「おみやげなにがいい?」と訊いたところ、
唯ちゃんから「肉!」という、シンプルかつ力強い返信があったので、
ぼくはフレスコにて大量の豚バラ(1キロくらい)と牛肉を買って持参した。
降らずとも傘の用意、と利休居士はおっしゃいましたが、
不肖の子孫も人並みにおみやげくらい気を遣うのである。
かくて、男たちは焼酎を片手に台所を戦場と決した。
ある種の会戦といえよう。
遼陽会戦でいうなら、詩人が第一(黒木)軍、仙台が第二(奥)軍という布陣。
詩人といえば豚の角煮である。
そんなの聞いたことねえよ、といわれる向きは
そのことばをやさしい気持ちでそっと嚥下していただきたい。
とにかく、ひとをもてなすとなると、だいたいこれをつくる。
参考として、かつてつくった角煮画像を。

ただまあ、きゅうなことで八角やら黒砂糖、はちみつを用意していなかったため、
冷蔵庫の中身を確認したうえで迅速に「和風角煮」に切り替える。
いつもならぶ厚く切る豚バラではあるが、ここでそんなことをしていると朝になっちゃうので、
比較的薄めに切ったものをフライパンで焼いてある程度脂を落とす。
それを昆布で出汁をとった鍋に投入。にんにく、みりん、砂糖、白しょう油をくわえる。
沸騰するまえに焼酎をどぼどぼそそぎ、いったん煮切る。
ほんとうはネギの青いところ、しょうがもほしいのだけど、
あるものでつくるのが酔っぱらい料理のたのしみでありまた真骨頂なのだ。
出汁をとったあとの昆布も細切りにしてくわえ、
あとは弱火でことこと煮るだけ。
今回は和風ということで豚だけにしたけれど、
濃い味でつくるときは大根やオクラ、ゆで卵などを
一緒に煮ると一石二鳥でおいしいおかずになります。
さて、その横で仙台は薄くスライスした豚肉にパン粉をつけている。
彼はぼくとちがって元イタリアンレストラン勤務なので、
やっぱり素人の酔っぱらい料理とは一線を画すものがある。
しかもぼくが豚の脂を落としたあとのフライパンと脂を再利用して、
グレイビーソース的なものまでつくっている。
結果、ウィンナー・シュニッツェル、グレイビー添えといったようなものができた。
めちゃくちゃおいしかったです。(文体がだんだん昭和っぽくなってきて疲れてたので、あえてくずしてみる)
そんなこんなで焼酎もどんどん空き、
もともと仙台は芋焼酎、ぼくは麦焼酎をのんでいたのだが
麦はなくなり、途中でべつの芋焼酎にきりかえる。
そうしているうち、5時半起きではたらいていた仙台が、
2時くらいかな、ついに疲労と睡魔に足をからめとられ撃沈。
唯ちゃんも隼人もねむりの国である。
詩人は憤慨したが、こちらも実際、そうとう酩酊している。
ふてくされたように毛布をひっかぶったのだが、いけませんね、
このタイミングで電話がかかってきて、それがまたテンションの上がる内容だったため、
ふてくされること30分ほどで現世に還ってきてしまった。
手持無沙汰なので仙台(むかしの日記にも書きましたが、彼の苗字は仙台ではありません。仙台出身のため、仙台と呼ばれております)にちなんで、
仙台名物(?)の「おくずかけ」をつくってみたりした。
ひとりで。
いや、ひとりだったか、そんなわけないか。
どうやら記憶の片隅にちょろっと仙台もうつりこんでいるので、
たぶんある程度つくったまではまだ彼も起きていたのだろう。
で、おくずかけはできた。
ただし、片栗粉が発見できなかったため、もどきである。
そんななか、よく考えたらつくったはいいけど煮込むばかりで
実食していなかった角煮が頬がとろけそうなよい出来とあいなった。
詩人はふてくされるのにも飽きたので、年上の特権を濫用して、
すやすやねむる仙台を起こした。鬼畜とでもなんとでも呼びたまえ。
(いまおもったけど、きょうはなんとなしに丸谷才一風ですね。呼びたまへ、って書きたい)
そんなこんなで、結局5時過ぎか、
とにかく始発が走るころあいまでのんでいたのである。
豚の角煮はやはりよくできていて(仕上げにかつぶしを煮含めてみた)
そういう、どうでもいいような、どうでもよくないような、
ちいさなことが最近はとてもうれしい(といったって、疲れて寝ているひとを起こしてはいけませんよ)。
目がさめると、唯ちゃんが角煮でごはんを食べていて、
仙台はその横でおくずかけもどきを椀によそっていた。
隼人は機嫌よくねむっていて、
ああ、家族の風景だなあ、とハナレグミの曲をなんとなくおもいうかべた。
この子が20歳になるまでは、なんとか石にしがみついてでも、生きていたいとすこしおもった。
ぼくは元来持病が多いし(そのうち、喘息と、とある不安障害は治したけれど)、
あんまり褒められたような生活サイクルを送ってはいないけれど、
彼らの息子とはいつか両親とともに酒を酌み交わしたい。
なんせ、半分名付け親なのだから、せめて隼人が自分の名前について興味をもつくらいの年ごろまでは。
親に言いづらいような悩みとかはぼくにいってくれたらいい。
なんて、いまから想像しててもしょうがないんだけどね。
最後に、余談ながら、
隼人を寝かせるときはいつも音楽をかけていて、
彼が今のところいちばん寝つきやすいのはYUKI「joy」とのこと。
それでも、仙台のiPodからはクリープハイプや明日、照らすががんがんに流れてきていて、
いつか隼人がそれを気に入ってくれたらいいなあ、とおもう。
また会いにいくよ。
それから唯ちゃん、
毎回肉ばっかり買ってると経済的に破綻しちゃうので、
つぎは魚肉ソーセージくらいで許してください…。